ゼミOBの戸張君が「先輩に学ぶ」に登場―大学の研究からそのまま就職
当初連れて行った学生達は「無洗米」にはあまり良いイメージを持っていなかったようです。本当に洗わないで食べられるのかや工場で(洗剤のようなもので)洗っているのではと思っていたそうなのです。しかし、工場を見学し製造工程を見て担当の部長に お話を伺うと、体にも良く、環境にも優しく、便利な無洗米がなぜ、市場に浸透しないのかが気になったそうです。
3年生になり、グループで研究テーマを決める時に一つのグループが無洗米の普及についての研究をしたいと言い出しました。その一人が戸張君でした。彼らは無洗米が普及できていない原因を突き止め、その解決策を提案しました。幼稚園のママにインタビューをし、アンケートを取り、、巣鴨で街頭インタビューをしたり、普通の白米と無洗米とを同一条件で炊いて試食テストを繰り返したり、本当に頑張りました。
原因はいくつもありましたが、その一つは無洗米は発売当初、製法が入り乱れ、美味しくないものも含まれていたことから最初に食べて不味いという印象が強く残っていたことが挙げられます。また、手軽さを謳うあまり、手抜きのイメージがついてしまってお姑さんに叱られるといった幼稚園ママさんもいたりなど心理的な側面もありました。
その成果を、関東の経済系の大学150くらいのゼミが出場する 日経BP社主催のプレゼン大会で発表したところ決勝に残り、見事5位に入賞しました。しかし、この時の審査員であった某有名求人情報サイトの方がBG無洗米の良さを伝えた学生に「あんたたちの誰か親でも東洋ライスかどこかに勤めているのか。企業の回し者か」と学生を大声で恫喝するようなコメントをされたことは今でも忘れることができません。こんな人がこれから就職しようとする学生のサイトを作り、社会人基礎力がとか偉そうなことを言っているのかと思うと正直くだらなさ過ぎて涙が出ました。しかし、こんな恫喝にも全くひるまずにチームのメンバー内に親も親戚もお米関係者はいないこと、今後の高齢化社会に向けても川や海の環境保全のためにもメリットがあることをきちん説明した彼らは立派で今でも心から誇りに思っています。そして、半年以上かけて頑張ってきた研究の大会決勝という晴れの舞台ですから、どこの大学の学生達も全員きちんとスーツを着て真摯な態度でプレゼンに臨んでいましたが、恫喝した彼は汚い毛玉の出たセーターにジーンズ、スニーカーだったのが私には忘れられません。服装なんてどうでもよいことかもしれませんが、そこに臨むにあたっての心持ちが出ていたように思えてならなかったのです。
【懐かしい写真3年時の合宿で。軽井沢のスカップ軽井沢で皆でカーリング】
**会社名、ブランド名、個人名については許可を得て掲載しました。