大学教員の醍醐味?!
最近、今年卒業したゼミの学生達が配属が決まったとのことで研究室を訪ねてくれます。昨日もIT系の企業のマーケティング部に配属になったNさんが取引先から直帰できるとのことで7時過ぎに訪ねてくれました。先週の木曜日も昨年卒業したゼミ生が所属が制作から本社のマーケティング部門に変わったとのことで真新しい名刺を持ってやって来ました。
実はこの学生、1年生の時にクラスアドバイザーをしていた学生です。本学では「大学学」という初年次教育の授業があり入学時に13,4名が1クラスになりアドバイザーとして教員が一人付きます。早く大学生活へ慣れてもらうこととアカデミックスキルを身につけてもらうのが主な目的です。
U君は地方から出て来た学生で一人暮らしでした。高校時代に描いた漫画が大手出版社に認められ編集者が付き、漫画家になるという大きな目標を持っての上京でした。大学で経営学部に入ったのは漫画のストーリーを書くためには一般的な社会の経験が必要との認識もあったようです。
しかし、初めての一人暮らし、アルバイトを始めたこともあって昼夜逆転の生活が続き、大学にはなかなか来ない、漫画も思ったように書けないという日々でした。最近、「重版出来」というドラマを見て初めて漫画家の卵の苦悩やあのネームと呼ばれるノートの意味がわかりましたが当時は私自身はあまり理解できていませんでした。
案の定 休みがちで単位を落とし、2年生から始まるゼミにも入室せず、3年にもギリギリで進級しました。そんな彼も漫画からゲームの製作の方に興味を移しゲーム業界で仕事がしたい、就職したいという思いが出てきて3年の後半あたりから4年にかけては残りの単位を必死に取得するようになりました。私の授業も全てとり、ゼミの1つ下の学年の学生に授業内のグループワークなどで一緒にやることが多かったです。
4年生の終盤ではゲームの企画のために学生達にインタビューやアンケートを行うなどすごく頑張ったと思います。しかし、卒業までに就職先が決まらず結局卒業式も欠席でした。ゼミ生ではなかったですが、最初のクラスアドバイザーということもあり相談にも乗っていましたし、ずっと気になっていました。
その彼が5月も終わりの31日に訪ねてくれたわけです。明日(6月1日)から念願のゲーム会社に就職が決まり社会人になるとのことで挨拶にきてくれたのです。手紙にはこれまでのお礼とともに3年後には必ずゲームディレクターになりヒット作品を創るとの強い決意も書かれていました。いやー、嬉しかったですね。しかもお茶菓子まで持って(笑)研究室にいたら一緒にお茶できたのに、ほんと、残念でした。
この話を木曜日に他大学の先生とお昼を食べた時にしたら、「こういうのが私達大学教員の醍醐味かもね」という話に。確かにこういう学生達の成長が見られるからいろいろあってもやっていられるのかもしれません。
そして、若い人達が社会で前向きに頑張っている姿を見て私も頑張ろうと思えた一日でした。
今年は、研究頑張ろう!